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眼瞼下垂とは？
眼瞼下垂とは、『上まぶたが瞳孔（黒目）まで垂れ下がっており、しっかりとまぶたを上まで挙げられないために、視界が狭くなったり物が見づらくなったりする状態』をいい、片目と両目の場合があります。
このような症状がありませんか？
- 上まぶたのくぼみが目立つようになった。
- 年齢とともに、目の開きぐあいが小さくなった。
- おでこに、深いしわが入る。
- あごを挙げて物を見るくせがある。
- 物を見るときに、眉を吊り上げてみてしまう。
- 慢性的な頭痛や肩こりがある。
原因は先天性と後天性に分けられます。
１）先天性
生まれつきまぶたを挙げようとする力がありません。眼瞼挙筋の形成不全によるものと考えられます。
２）後天性
- 加齢によるもの
- コンタクトレンズ長期装用によるもの
- アレルギーがあって、過剰に目をこすってしまったために生じるもの
- 過剰なアイメイクにより、著しく目をこすったために生じるもの
- 白内障などの内眼手術後、術後炎症が強く出たために、下垂が進行したもの
眼瞼下垂が進行すると、無意識のうちに視界を確保しようとして、常にあごをあげながら物を見るようになります。眉を吊り上げて眼を見開こうとするので、額の筋肉がいつも緊張してしまいます。これらが頭痛や肩こりの原因になります。症状が悪化すると吐き気やめまい、交感神経の緊張を引き起こしたりすることもあります。
他に重症筋無力症や動眼神経まひといった原因の場合、眼瞼下垂に加えて物が二つに見える（複視）症状がでることもあります。
また、まぶたがけいれんしたり、まぶたが過度に緊張して開きにくくなることで起こる眼瞼けいれんによる場合もあります。
眼瞼下垂手術について
はる眼科クリニックで眼瞼下垂手術を受けるメリット
保険診療
眼科のため、保険診療内で手術が受けられます。
日帰り手術
専門医ならではの手術で日帰り手術が可能です。
腫れが少ない
レーザーメスを使用するので出血や腫れが少ないです。
細やかな対応
女性スタッフならではの細やかな対応で安心です。
治療方法
１）先天性眼瞼下垂の場合
赤ちゃんに下垂があっても見ようとしている様子があれば、あわてて手術をする必要はありません。視力の発達を観察しながら、通常は3歳を過ぎてから行います。例外的に、まったく開かないか、きわめて下垂の程度が強いために見るのがつらそうという場合には2歳以下でも手術をしますが、この場合、成長に伴って再び眼瞼が下がり、再手術を必要とすることが少なくありません。
手術は主に、眼瞼挙筋を短縮する方法と、眉毛を上げて見ているお子さんではその力を利用する眼瞼吊り上げ術があります。
２）後天性眼瞼下垂の場合
ハードコンタクトレンズの長期装用の方の場合は、ソフトコンタクトレンズに変えることで、進行が止まったり、改善することがあります。
また、重度のアレルギーによる場合は、アレルギーの治療により改善することがあります。点眼やまぶたの腫れをとるための眼軟膏などを使います。
眼瞼・片側顔面けいれんによる場合は、それに対する注射により改善することがあります。
その他の場合は、症状の程度によって手術治療を考えます。
女性は毎日鏡を見ることが多く、わずかな変化が気になります。すこしのまぶたの垂みや眼のくぼみ、しわの状態が実は気になっている…という女性はめずらしくありません。また、男性でも、お仕事で多くの方に接する方の場合は、ちょっとしたまぶたにともなう外見の変化がだんだん気になってくる……ということが多いです。そのような心配やお悩みを共有し、どのような治療やケアをしていけばいいのか、相談に乗って対応してまいります。
美容クリニックではないので、「すぐに手術しましょう」とならないことも多いですが、なぜすぐに手術が必要にならないのかを懇切丁寧に相談し、今後の経過を説明いたします。また、必要なケースでは保険診療内での手術による治療を提案いたします。
手術方法
ゆるんでしまったまぶたを引き上げるために、どの部分が原因になっているかによって手術を組み合わせます。
１）老化によって皮膚が垂れ下がっている場合
老化により皮膚が弛緩しているのみであれば、余分な余っている皮膚を切除し縫合するだけの手術になります。
２）まぶたを挙げる筋肉に少しでも力が残っている場合
ゆるんでいる筋肉を縫い縮めて本来の機能を回復させ、瞼を挙げる方法です。
下垂の種類や程度によって、両方を組み合わせることが多いです。手術中にまぶたの上がり具合を確認しながら決めていきますが、両眼のバランスを見るために、両眼同時手術をおすすめしています。
当院では炭酸ガスレーザーを用いた手術を行っています。
一般的に、まぶたの手術は細い血管の多い皮膚や筋肉を切開するために出血が多いのですが、炭酸ガスレーザーメスによる手術は、止血と切開を同時に行うことができるため、出血が少なく、皮膚への負担も少ないのが特徴です。手術痕も時間の経過とともに目立たなくなります。日帰り手術となります。
術後のケアについて
当日…
まぶたはとても腫れやすいので、一時的に腫れが強くなったり、赤紫色に内出血をすることがあります。術後の腫れは2～5日が最も強く現れます。術直後から、しっかりと腫れを冷やしていただきます。できるだけ安静にして、冷やすことを心がけてください。万一出血した場合は、ガーゼの上から30分以上しっかり圧迫するようにしてください。入浴はできません。痛み止めと化膿止めの飲み薬をはじめます。
翌日…
受診していただき、診察後に小さな眼帯になります。首から下の入浴はできます。引き続きしっかり冷やしてください。前日に処方された点眼と塗り薬をはじめます。
翌々日以降…
問題がなければ特に受診はしないでけっこうです。眼帯ははずします。洗顔、洗髪、入浴できます。腫れが長引くので、長くお風呂に入らないようにしてください。引き続きしっかり冷やしてください。
術後10日から2週間…
抜糸します。ソフトコンタクトレンズはこの頃より装用可です。ハードコンタクトレンズは眼瞼下垂を再発するので基本的にはおすすめできません。お化粧はできますが、アイメイクは１ヶ月後まで控えて下さい。赤みがひくように、しばらく指示があるまで塗り薬を続けていただきます。
術後
手術前：まぶたが下がり、黒目のほとんどがかくれてしまっています。おでこでまぶたを挙げようとしているので、おでこのしわがふえ、眉毛の位置が上がっています。上を見るために顎を挙げがちになるため、鼻の穴が目立ちます。
手術後：まぶたが上がったために黒目が大きくなりました。おでこに力を入れなくてもまぶたが上がるため、おでこのしわが減り、眉毛の位置が下がっています。顎を挙げなくなり、鼻の穴が目立たなくなりました。
＊当院で行っている眼瞼下垂手術は、あくまでもまぶたの機能を回復させるもので、美容を目的とするものではありません。
眼瞼下垂の手術費用（片眼）
1割負担 約8000円
3割負担 約24000円
（別途 診察 薬代）
＊手術内容によって金額が変わることがあります。
＊70歳以上の方は、窓口での自己支払限度額があります。
眼瞼下垂 Q & A
メイクはいつから可能ですか？
術後3～7日間は腫れが強く、あまりメイクもお勧めできません。
腫れがひいてきて、軟膏が夜だけになったらしてもよいでしょう。
目安は抜糸後の2週間くらいからと考えてください。
腫れの引き具合には個人差があります。
治療後腫れや出血はありますか？
瞼は血流の非常に良い部位なので感染は生じにくいですが、逆に出血しやすい部位でもあります。
手術中に確認できる出血は確実に止血しますが、手術が終了した後に出血が生じることもあります。
ほとんどは冷やして様子を見ていくと自然に吸収されますが、ごく稀に術後の出血が奥に至るような場合があります。
出血の程度によっては再び縫合した傷を開き、出血した部位を確認する処置が必要になることもあります。
治療中に痛みはありますか？
局所麻酔の手術になるので、触れられている感覚はありますが、痛みはほとんどありません。
痛みの訴えがある場合は適宜麻酔を追加で注射します。
術後に1錠痛み止めを飲んでいただきますが、ほとんどの方は1錠で痛みは治まります。
自分では眼瞼下垂かわからないのですが、簡単な自己診断法はありますか？
鏡を見たときに、黒目の部分までまぶたがかかっているかが大きな目安になります。
また、額にしわが入っている場合、まぶたの力が弱っているために代償性に額の力を用いてまぶたを挙げようとしている可能性があります。
美容で額にしわとりのための注射（ボトックス）をされている方は、おでこの力が抜けてしまうのでボトックス施術後にまぶたが下がった感じが出ることがあります。
パソコンを多用する仕事なのですが、眼瞼下垂になりますか？
PC作業が多い方で「目が開きにくい」「しょぼしょぼする」「肩こりがひどい」といった訴えは若年の方に多い傾向にあり、
眼瞼下垂ではないこともしばしば見受けられます。
多くはドライアイや眼精疲労、長時間同じ姿勢をとっていたために伴う症状で、眼瞼下垂によるものではないことが多いです。
特にコンタクトレンズ装用者の場合は、ドライアイが悪化する傾向にあります。
集中すると瞬きの回数が減ってしまい、より強いドライアイ症状が出てしまうことともあります。
またコンタクトレンズ装用者でハードコンタクトを長い期間使用していた方は、眼瞼下垂になりやすい傾向にあります。
コンタクトレンズのタイプによっては若い方でも眼瞼下垂になっていることがありますので、気になる方は一度診察をお受けください。
眼瞼下垂の症状はないのですが、眼瞼下垂の手術をして目を大きくすることは出来ますか？
「目が小さくなったと家族に言われた」との訴えでご来院される方は多くいらっしゃいます。
その結果、実は眼瞼下垂の症状が既に出ている方もいらっしゃいます。
ご自覚の症状は様々なので、それらしい症状が出ている場合は一度ご相談ください。
ただし、当院では美容目的で「目を大きくしたい」というだけで眼瞼下垂のみられない方の手術はしておりませんのでご了承ください。
眼瞼下垂の手術を行うと肩こりや頭痛が治ると聞きましたが本当ですか？
眼瞼下垂にともなって、姿勢が悪くなることがあります。
上方が見えないので顎を突き出し、始終肩をすくめているような姿勢になってしまうのです。
また、いつもまぶたを挙げようとしているので眉毛からひたいにかけて力が入っているので、
緊張性頭痛の状態になっている方もいらっしゃいます。
手術で正しい位置にまぶたとまぶたを挙げる筋肉が戻ると、それらの力が抜けるので肩こりや頭痛が治ると考えられます。
眼瞼下垂の手術を行うと二重になりますか？
二重瞼の手術ではありませんので、必ず二重になるとは限りません。
片側だけ眠そうに見えます。片側だけの眼瞼下垂手術も可能ですか？
可能です。
ハードコンタクトレンズ装用者の方で、多く見られます。
その場合、手術したまぶたのほうが逆に大きく開き、手術しなかった方のまぶたが下がることがあります。
下垂のあった側のまぶたが手術で修正されると、脳が「もうそんなにまぶたを引き上げなくていいよ」と指令を出し、まぶたを引き上げる力が弱まります。それは下垂を手術した側だけでなく、反対側にも同時に作用するため、反対側のまぶたが手術前より下垂することになるのです。
左右のまぶたは言わばシーソーのような動きをするわけです。
片側性眼瞼下垂の手術後、約10%の人に反対側の下垂が生じるといわれており、経過によってはもう片方の眼も手術をすることがありますが、数か月以内で両眼のバランスが取れてくることが多いです。
最近特に夕方まぶたを開けにくく感じます。眼瞼下垂でしょうか？
夕方にかけて眼精疲労が強くなるために、まぶたが開きにくくなる方は多いです。
パソコン作業、スマホ、読書など集中してものを見たときなどはそう感じることが多いでしょう。
また、ドライアイで目がしょぼつくために開きにくく感じることもあります。
それとは別に、重症筋無力症という病気で夕方に極端にまぶたが開きにくくなることもありますので鑑別が必要になりますが、多くは問題ないことが多いです。また、眼瞼痙攣でも疲れや時間によって症状が重くなり、まぶたがうまく開けられないということもあります。
眼瞼下垂かどうかご自分で判断されず、医師の診察をお勧めいたします。
